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実施報告

原爆放射線医科学研究所 田代聡 教授 (2025年度 広島大学研究ネットワーク形成支援助成制度【タイプC】)

名前 田代聡 教授
所属 原爆放射線医科学研究所
  • イベント名: 日本放射線影響学会第 68 回大会/第 6 回アジア放射線研究会議 (JRRS/ACRR2025)合同大会   
  • 開催期間: 2025年10月23日~2025年10月26日
  • 開催場所: 広島市・広島国際会議場
  • 総参加者数: 451名 (うち海外研究者80名)
  • 実行委員を務めた若手研究者: 原爆放射線医科学研究所 川島友莉 特任助教

 

 

 

2025年10月23日から26日にかけて、広島国際会議場において、第68回日本放射線影響学会(JRRS)と第6回アジア放射線研究会議(ACRR)を合同で開催した。本大会は、原爆投下から80年の節目に広島で実施される国際学術集会として「Research of Radiation Effects in the 80th Year from the Atomic Bombings: Learning from the Past, Expanding from Hiroshima, and Bridging to the Future」をテーマに掲げ、放射線影響研究の歴史的意義と、次世代へとつながる研究展開を世界に向けて発信する機会となった。本学の研究ネットワーク形成支援助成により、国内外の研究者が一堂に会することで国際的ネットワークを強化し、広島大学の国際共同研究の基盤をさらに発展させることができた。

会議には、アジアを中心に欧米を含む21か国から多数の研究者が参加し、総参加者数は450名を超えた。基調講演、教育講演、シンポジウム、若手セッション、市民公開講座など、多岐にわたるプログラムを通じて、基礎放射線生物学、放射線防護、放射線災害医療、ゲノム・エピゲノム研究、放射線腫瘍学など、多様な分野の最新知見が共有された。特に、シンポジウム1では、国際原子力機関(IAEA)、国連科学委員会(UNSCEAR)、世界保健機関(WHO)、国際放射線防護委員会(ICRP)、国際放射線影響会議(ICRR)および放射線影響研究所(RERF)などの国際機関や国際学会からの代表が参加してこれからの放射線影響研究についての討論があり、国際的な議論の深化と、政策・医療・研究を横断した学際的連携が強化された。

本助成により、若手研究者の国際発表の機会を拡大できた点は重要である。AARR Young Scientist Award にはアジア各国より多くの応募があり、厳選された若手が本大会で研究成果を発表した。また、広島大学のフェニックスリーダ育成プログラムをはじめとする大学院生・若手研究者にも積極的な発表機会を提供し、国際的な研究者コミュニティとの交流を通じて将来の共同研究の種を育むことができた。さらに、海外招聘講演者との個別ミーティングを設定し、共同研究の立ち上げ、データ共有、人材交流など、具体的な連携が多数進展した。

特筆すべき成果として、アジア地域の放射線研究者ネットワーク(AARR)の強化が挙げられる。各国代表者が集い、共同プロジェクト、若手育成活動について討議し、広島大学がアジア地域の学術プラットフォーム構築に中心的役割を果たすことが確認された。また、IAEAとの放射線影響評価分野における連携深化、欧州研究機関との共同研究の計画化など、複数の国際連携が本大会を契機に動き出した。

本大会の開催により、広島大学は放射線影響研究の国際的拠点としての存在感を一層強めることができた。原爆被害を経験した広島に立脚した研究発信は、世界の研究者に深い理解と共感を生み、平和を基盤とした科学研究の重要性を再認識させるものであった。本助成によって生まれたネットワークと共同研究の芽を今後さらに発展させ、次世代研究者の育成と国際研究連携の強化につなげていきたい。