研究戦略部 プロジェクト研究センター オオサンショウウオ保全対策プロジェクト研究センター
project research center list
センター基本データ
整理番号 | 05-02 |
---|---|
設置期間 | 2023年5月1日 ~ 2026年3月31日 |
センター長 | 清水 則雄(総合博物館 / 准教授) |
主たる研究分野 | 生物環境 / 基礎生物学 |
TEL / FAX | 082-424-4212 / 082-424-4263 |
norios*hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に置き換えてください) |
プロジェクト概要
目的
国の特別天然記念物オオサンショウウオの保全対策を総合的に検討・実施し、広島から全国へ向けて、同種の保全と環境改善を進める調査研究を実施します。
背景
世界最大級の両生類であるオオサンショウウオは、国の指定する特別天然記念物であり、中国地方が分布の中心です。東広島市は、2011年〜の調査により、本種の個体群が豊富で、保全上極めて重要な自然の繁殖巣穴を保有する繁殖群であることがわかってきました。しかしながら、孵化後の幼生が生残出来ていない環境であること、堰堤により個体群が分断され、健全な繁殖が制限されていること、近年の頻発する豪雨により下流へ流出していることなど次々と問題点が明らかとなっています。
更に、2022年には広島市において外来種であるチュウゴクオオサンショウウオとの交雑種を多数発見しました。交雑種の分布は関西を中心に急拡大が続いており、最初に確認された京都市では、鴨川水系において移入から約30〜40年で約98%のオオサンショウウオが交雑種に置き換わったことが報告されているなど、国産純粋種の保全が火急の課題となっています。
このように国の特別天然記念物である本種は危機的な状況にあり、その保全対策の検討と早急な実施が求められています。
そこで、広島大学では、野外調査技術とDNA鑑定、環境DNA等の技術、教育普及実績を持つ学内外の研究者を集め、その保護対策を総合的に検討・社会実装することを目指して本プロジェクト研究センターを設立しました。
研究計画
具体的には下記の研究・活動を実施します。
- 広島県および全国における交雑種の分布状況の把握
- DNA鑑定の効率的手法の開発
- 環境DNAによる交雑種の確認手法の開発
- 在来種個体群の分断を解決するスロープの設計、社会実装
- 教育普及、保全対策の検討、社会実装
主な研究活動・事業活動
2011年〜東広島市豊栄町椋梨川、廿日市市飯山貯水池、広島市八幡川等で大学―市民―自治体が協働した野外調査を実施しています。詳細は下記の関連動画を御覧ください。
研究組織及び構成メンバー
-
清水 則雄 (Norio Shimizu)
センター長
総合博物館・准教授(動物生態学)
-
三浦 郁夫 (Ikuo Miura)
研究員
両生類研究センター・准教授(基礎生物学、進化遺伝学)
-
淺野 敏久 (Toshihisa Asano)
研究員
人間社会科学研究科・教授(人文地理学、環境社会学)
-
池田 誠慈 (Seiji Ikeda)
研究員
総合博物館・契約技術職員
-
桑原 一司 (Kazushi Kuwabara)
客員研究員
日本オオサンショウウオの会・前会長(博士(学術))
-
田口 勇輝 (Yuki Taguchi)
客員研究員
日本オオサンショウウオの会(博士(地球環境学))
-
山﨑 大海 (Hiromi Yamasaki)
客員研究員
本学生物圏科学研究科卒業生